読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ソーシャルグッドマーケティング

室谷良平。ベンチャーのマーケター。本業の傍らで地元・北海道長万部町の活性化のためのデジタルメディア「リマンベ」を運営。インターネット、マーケティング、まちづくりがライフーワークです。

寄付を何倍にも増やす「CTAボタン」を改善する4つの工夫《NPOのWEBマーケティング》

マーケティング 社会課題

f:id:thexx:20170312164306p:plain

 

NPOの分野では、継続的な事業運営のために、「寄付」のことで頭を悩ませる場面が多いと思います。

 

そのようなときに、ウェブマーケティングの世界にある「CTA」という概念をしっかりとおさえて施策を打っていくことで、寄付率が何倍にもなったり、スタッフ採用への応募がたくさん集まったりと、打開できる一手となれるかもしれません。

 

CTAとは

CTAとは「Call To Action」の略で、 「行動喚起」という意味です。 サイトやアプリの訪問者にとってもらいたい行動に誘導するため、ボタンなどのかたちで表示されます。

 

ネット通販だったら「商品購入」

不動産であれば「内覧申込み」

旅行であれば「予約」

など、目的とするゴールにたどり着いてもらうためのボタンとなることが多いです。

 

もちろん業界や訪問者の属性によって異なったり、ランディングページなどの全体とのバランスもありますが、効果的な施策を打っていくうえで、難しい知識がなくてもすぐに真似できて試せるようなポイントを中心に紹介したいと思います。

「文字」「色」「形」「配置」の4つのチェックポイントで紹介します。

 

文字の工夫

CTAは名詞ではなく動詞にする 

「ダウンロード」よりも「ダウンロードする」

「応募」よりも「応募する」

「寄付」よりも「寄付する」

 

ただの名詞だと、訪問者の頭のなかで名詞から動詞への置き換え作業が発生してしまうため、脳に負担がかかってしまい、行動をスムーズに引き起こしにくくなってしまうかもしれません。そのため、解釈がストレートな「動詞」の表現の方が、訪問者にとって行動を引き起こしやすいです。

 

行動ハードルを下げる文言に変えてみる

さきほどの「名詞→動詞」の変換を、さらに改良する方法があります。

それは、行動ハードルを下げる文言にすることです。

例としては、

「応募する」を「応募してみる」だったり、「まずは応募する」といった「気軽さ」を演出に表現にするとよいかもしれません。

ほかにも、希少性や限定感、重要感、無料、簡単などの表現を加えてもよいでしょう。

 

直感的に読み取れるようアイコンを加えてみる

三角(▷)や矢印(→)がよくつかわれます。向きは右が多いですかね。

 

「応募する」は「応募する▶︎」

「寄付してみる」は「寄付してみる→」

といった感じになり、「次にページがある」ことを表現でき、アクションを引き起こしやすくなります。

 

色の工夫

ボタンの色を変えてみる

オバマ元大統領の選挙キャンペーンの緑色のボタンの例が有名かと思いますが、行動喚起において色が果たす役割が大きいです。 

 

よく言われるのが「赤」は興奮、「青」は冷静などあり、この色が心理的に及ぼす影響は本当に大きいです。

 

オバマ元大統領の例の緑色については、上記に記事によれば「平和」「平等」「公平」「安全」とも書かれており、たしかに合うかもしれません。

 

このような寄付といった能動的なアクションを求めるCTAにおいては、寒色系よりかは中間色や暖色系が行動喚起には適しているかなと思います。

青などの寒色系は、入力内容にミスがないかどうか冷静になって考えるなど、重要な意思決定を必要とする申込みや登録に関する向いている印象があります。

オレンジなどの暖色系、とくに赤色は「血」を連想させるためか、訪問者のテンションや体温を少しあげたり、情動を引き起こしやすく、結果的に行動を引き起こしやすいと思います。

 

色に関しては、シンプルにこのひとつですかね。

 

形の工夫

ボタンを立体的にしてみる

ただの枠をつけたデザインではなく、グラデーションや影を表現して、よりボタンっぽくすることで、埋もれずに、目に留まるデザインにすることができます。

「押せる感」を演出することで、訪問者にとって「背景」とならずに、シンプルに「これを押すか、スルーするか」の選択を迫ることができます。

一方で、このボタン感が行き過ぎると、過度なプロモーションと同じように、避けられてしまったり、ボタンをクリック(タップ)する際に心理的障壁をつくってしまうことにもつながる可能性があるので、A/Bテストで結果を見てみるとよいかと思います。

 

ボタンをフラットにしてみる

さきほどの立体的にしてみると真逆ですが、

このボタン感が行き過ぎると、過度なプロモーションと同じように、避けられてしまったり、ボタンをクリック(タップ)する際に心理的障壁をつくってしまうことにもつながる可能性がある

ので、フラットデザインにした方がいい場合もあるため、この項目も加えてみました。

フラットデザインの注意点としては、「それがボタン(リンク)なのかどうか」と識別されないと背景や絵として認識されてしまうことです。

そのため、フラットデザインを採用するならば、まわりのデザインやCTAの文言を工夫して引き立たせる必要があります。そうすることで、「そこをタップすることができる」と認識させることができます。 

 

配置の工夫

周囲にたくさんのCTAを置かない

例えば、

「メンバー募集に応募する」

「寄付して支援する」

「メルマガに登録する」

「もっと読む」

「いいね!して最新情報を受け取る」

など、選択肢がたくさんあったら迷ってしまって、かえって行動につながらないように、CTAボタンを密集して配置してしまわないように注意が必要です。

優先順位とメリハリをつけて、とくに導きたいページへのCTAを設置するとよいです。

 

ヘッダーやフッター固定で表示させてみる

スクロールしても流れずに、行動したいと一ミリでも思ったその瞬間にもCTAボタンを見せることができるため、より行動につなげやすい配置となります。

バイラルメディアでソーシャルボタンがフッター固定で設置されることが多いのは、この理由が多いかと思います。

フローレンスのこちらのページも、フッター固定で「活動を支援する」ボタンを出していますね。(スマホのみ)

SmartNews ATLAS Program 2の支援先にフローレンスの赤ちゃん縁組が選ばれました! | 認定NPO法人フローレンス | 新しいあたりまえを、すべての親子に。

ワードプレスプラグインでも簡単に導入できますので、やってみてもいい施策だと思います。

  

CTAの活用範囲は広く、簡単にインパクトを出しやすい

ほかにもスタッフ採用においての「応募」にも活かせるため、活用範囲は広いです。

インタラクティブなウェブだからこそ、いかに行動を引き起こせるかが重要なポイントとなります。

 

CTAについてまとめると、いかに目を留まらせて、脳に負担なく解釈させて、動物レベル・本能レベルでダイレクトに脳に訴求できて、行動喚起から実際に行動するまでの流れをスムーズにさせることができるかです。

上流である「注目」から下流の「行動」までの流れが滞りなくいけるよう治水工事を進めていくことが、CTAを工夫することによるCVR改善の施策となるのです。

そのための「文字」「色」「形」「配置」をページやサイト全体のなかで最適化させて、理想の仕組み・仕掛けを作り上げていくことになるのです。

 

事業の目標とするコンバージョンを増やすためのCTA改善については、ほかにも工夫・技・テクニックはたくさんありますが、すぐ参考にできそうなレベルで簡単にまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

広告を非表示にする

メディアは地域を救えるか。人口5,600人の長万部のローカルメディア「リマンベ」の挑戦

地域活性 ローカルメディア

私は東京に住みながら、本業の傍らで、遠く離れた地元・北海道長万部町の活性化のために、「リマンベ」というウェブ主体のローカルメディアを運営しています。

 

f:id:thexx:20170107152643p:plain

リマンベ:http://www.remanbe.jp/

 

▼参考:長万部の位置

f:id:thexx:20170117212645p:plain

長万部町は札幌と函館の中間に位置する道南の町です。人口は5,600人ほどの町で、「まんべくん」や「由利徹」で知られ、名物の「かにめし」などが有名です。 

 

▼参考:長万部ゆるキャラまんべくん」 

f:id:thexx:20170122140513j:plain

 

 

「リマンベ」では、長万部出身者のインタビュー記事や、長万部にゆかりのある方への取材記事、関連ニュースなどを発信してきました。

 

こちらは一例です。

 

▼過去最も話題を呼んだ、長万部における選挙権の18歳引き下げのインパクトがすごいという記事。個人的に私がデジタルマーケティングの支援をしているNPO法人YouthCreateの原田代表にインタビューをして作成。公開わずか数日で、はてブのホットエントリ入りのほか、2500近くのいいね!、5万PVを獲得。北海道のテレビ局から特集を組みたいと連絡が入ったり、NEWS ZEROにこの話題が取り上げられました。

 

▼「セクシーすぎるまんべくんのコスプレ」で話題となったかぐねさんへのインタビュー記事。この取材のために弾丸で名古屋まで行き、コスプレ撮影スタジオを借りて取材を行いました。

 

▼インスタグラムをきっかけに接点をもてた長万部出身でアメリカ在住者の藤井さんにネットで取材。長万部の給食は本当に美味しいです。

 

▼リマンベをスタートした当初から、これまで町民にとってベールに包まれていた理科大について取り上げる必要があると思い、Twitterで面白い投稿をしていた基礎工出身の高橋さんに取材しました。これを機に、メンバーとして一緒に活動してくれる理科大生との継続的なつながりができた記事でもありました。新一年生によく検索から読まれています。


▼出身者へのインタビュー記事のなかでもとくに話題を呼んだのがこちら。かっこいいメッセージをいただきました。

 

こういったコンテンツをウェブサイトであったり、FacebookTwitter、インスタグラムなどのソーシャルメディアに投稿していき、長万部のことに興味を持ってもらうことはもちろん、単純に記事を楽しんでいただいています。

 

ローカルメディアを運営してきて感じたこと

リマンベを立ち上げたのは2013年5月。かれこれ4年近く運営していることになります。

リリース時はわたし1人だったのが、おかげさまで現在では一緒に取り組んでくれるメンバーも増え、同郷の友人や東京理科大学の学生さんら10名ほどに拡大しました。

また、リマンベの活動を北海道新聞さんや北海道ファンマガジンさんなどのメディア、オルタナSといったソーシャル系のメディアさんにもご紹介いただくこともありました。(長万部町役場のウェブサイトにリンクを掲載いただいたときは嬉しかったですね)

長万部町役場 - リンク集

 

 

そんなローカルメディアの運営を通じて思ってきたことがあります。

それは、ローカルメディアは人口が1万人にも満たない「小規模市町村」においては、地域活性の大きなテコ作用を働かせる手段ではないか、ということです。

 

ネット時代の地域活性について考えながら運営経験でわかったことや、私なりの考えを書いてみたいと思います。

 

コスプレイヤーのかぐねさんが長万部に来町されたときの写真 。この日のためにまんべくんのコスプレ衣装を新調してくださいました。

f:id:thexx:20161205001725j:plain

 

 

小規模市町村の活性化は「人」がすべて。

ビジネスにでも何にでも通じることですが、産業振興などの町おこしをする人がいなければ、衰退の一途。とくに人口が1万人に満たない小規模市町村には、その問題がクリティカルに存在します。

 

このような小規模市町村においては、在住者からだけでなく、もっと上手に外部の人からも力を借りられること、外部からエネルギーが得られることが大切です。

 

では、どのように外部の力を増やしていったらよいか。私は「出身者」に焦点をあてるとよいのではと思っています。 

 

以前に私がハフィントンポストに寄稿した記事でも触れましたが、

(いま改めて見ると、なかなか攻めたタイトルですね笑)

 

・議員、自営業、一次産業などの地域の要職の子どもが多い。(地域の運営を大きく左右する意思決定権に接触できる)

・地方の産業特性的に、地元にはない仕事の従事者も多いと思われるため、町にとって新しいスキルを還元することができる

 

といった傾向があるためです。地域がもつソーシャルキャピタルのなかでも潜在的に大きな力をもっている「出身者」にフォーカスするとよいのではと思うのです。

 

 

そして、地域活性に熱をもつ人たちを増やしていくためにまず行うことは、

物理的にも感情的にも町から離れていった「出身者」とのつながりを取り戻す

こと。

 

 

これは長万部のローカルメディア「リマンベ」の名前の由来や、

長万部をもう一度(Re)元気に、出身者からのメッセージ(Re:)を。

 

リマンベの運営コンセプトとしても文章化して、日々意識をしており、

従来のローカルメディアの枠にとらわれず、インターネット時代の新しい地域活性のあり方を考え、実践しています。コンテンツでつながれる時代だからこそ、物理的にも心理的にも離れていった人と人とのつながりを取り戻すべく、日々コンテンツを発信しています。

 

このつながりを取り戻していく方法として、小規模市町村には「ローカルメディア」が優れた手段だと感じています。

 

次の2つのポイントもあります。

 

▼私が小学生だったころの通学路

f:id:thexx:20170122140734j:plain

 

1.スマートフォンソーシャルメディアの普及で、「つながれる土壌」が整っていること

スマートフォン端末とソーシャルメディアが急速に普及した現代では、ひとりひとりが情報を発信できるようになりました。また、facebookなどのソーシャルメディアでは、コンテンツを通じてアカウント同士がつながることができた、という点です。

リマンベでいえば、FacebookページやTwitterアカウントを「いいね!」「フォロー」してもらうことで、コンテンツを通じて継続的につながれる関係性をもてるようになったという面もあります。

 

▼部活ネタでしたり、公園などの懐かしい景色、馴染みのグルメなど、青春時代に深く胸に刻まれているコンテンツが多くシェアされたりする傾向にあります。

 

 

2.小規模市町村には、強力なつながりを生む「中学校」という最強の社会装置があること

前述のスマホxソーシャルメディアの普及がさらに威力を発揮する環境として、小規模市町村においては中学校が強力な「つながり」を生むポテンシャルを秘めています。

中学校のつながりの強さについては、さきほど紹介したハフィントンポストへの寄稿記事にも触れており、

各出身者らの力を集結させるため、つながりをつくるために大きな役割を果たすのが「中学校」です。

上下2学年との関係性、上下2学年を超える場合でも兄弟・親の関係などのネットワークを活用し、つながりを形成することが容易にできます。高校や大学などの教育機関よりも生徒間のつながりが多く、まさに地縁・血縁社会。

しかも、小規模市町村は大抵が公立なので、義務教育を修了するまではみんなが同じ中学校の出身になるということ。つまり、学年の横のつながりができるということ。学区的にも人口1万人に1つの中学校ほどです。中学校は最強の社会装置となります。

というように、この中学校が生むつながりをテコ(ネットワークのハブ)にして、出身者との接点をもっていけるのです。

さらに、こうした緊密した人間関係は、facebookなどのソーシャルメディアにおいては強力な情報配信メカニズムとなるため、ローカルメディアのコンテンツの拡散の土台となるため、ローカルメディアで築いていったつながりの数が、発信力を生み、発信力がさらなるつながりの機会を生む好循環をもたらすと思います。

 

 

今こそローカルメディアを積極的に活用すべきタイミングなのかもしれない

ということで、仕事や進学をきっかけに町から離れていった出身者が多い小規模市町村においては、ウェブのコンテンツを通じて全国(全世界に視野を広げてもいいですよね)の多くの出身者との再接点のポイントを獲得でき、そこから地元の地域活性への熱を生んで、一緒に汗をかいて取り組んでくれる人を増やしやすいのではと感じているのです。

また、私のような出身者でも、ネットがあれば場所の制約がなく、町から離れた出身者でも地域活性に関われます。リマンベをプラットフォームとして、もっとつなげていきたいです。

ほかにも、インターナルマーケティング的に長万部とすでに関係している人たちに「地域活性」に関するモチベーションを高めていただくような発信も可能であるため、テコ作用の高い施策なのです。

 

 

 

長万部ソウルフード「甘太郎のチャーハン」。Facebookページに投稿したときのエンゲージメント率がとても高いです。 たまにむしょうに食べたくなる味です。

f:id:thexx:20170122140915j:plain

  

 

インターネットで地域活性のかたちは変わる

人口については、書籍『シティプロモーションでまちを変える』にあるように、移住促進をどんなに進めても、誰しも身体は一つしかないので、人口のゼロサムゲームとなります。一方で、町への想いの総量はゼロサムではありません。だから、いくらでも増やしていける可能性があります。

いまだからこそ、出身者とのつながりを取り戻していくことが、小規模市町村の地方再生のエンジンになるのではと思います。

 

また、ここからは妄想ですが、この情報の流れ(情報流通構造)の変化は、発展的には、小規模市町村の情報格差の解消に一役を買えて、地元の子供たちのキャリア形成や教育であったり、産業振興に貢献できる情報の流通ができる環境(情報接触環境)をつくっていけるのではと模索しているところです。

 

インターネット時代の地域活性とは…と思いを巡らせてみると、いろいろ面白いことが出来そうでワクワクします。今年もリマンベでたくさん仕掛けていきたいです。

広告を非表示にする

マネジメントの神・ドラッカーを越えるか、インテルCEOの『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』が名著すぎた

マネジメント

f:id:thexx:20170115144259j:plain

いま、ベンチャー界隈のマネジメント層らで話題になっている『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』。著者はIntelの伝説的CEO、故アンドリュー・S・グローブ氏。

 

HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント
 

マネジメントの本質的な役割、組織としての生産性をあげるための取り組みが、実務家目線の言葉でシンプルでわかりやすい例を交えながら書かれているため、もっと早く復刊してほしかったと思う本でした。

 

アマゾンの内容紹介にあるとおり、

アウトプットを最大化するための仕事の基本原理とは、マネジャーが最も注力すべき仕事はなにか、タイムマネジメントの方法、
意思決定のときにしてはいけないこととは、ミーティングはどう進めるべきか、
1対1の面談(ワン・オン・ワン)ではなにを話すのか、
人事評価はどう判断すべきか――。
マネジャーなら誰もが悩むことに答えてくれる、実践的で役に立つアンディ・グローブのアドバイスが満載の経営書である。

上記のようなトピックについて触れられており 、抽象論で終わらずに実業務に落とし込みやすいかたちで紹介されています。

ほかに登場するトピックには、プロセス分析、目標管理(MBO)、KGI/KPI、組織編成、動機づけ、採用などに触れられています。

 

また、マーク・ザッカーバーグ氏の推奨コメントも載っており、 偉大なる起業家らの参照点となった本なのだなとわかります。

「僕の経営スタイルの形成に、本書は大きな役割を果たした」――マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO)

  

成果を上げるためのインパクト(重要な課題)はどこにあって、どのようにアクションして解決していくとよいか、「マネージャーとしての生産性を高める超実践的思考法」が学べました。

 

 (「生産性」については、『採用基準』の著者として知られる伊賀さんのこちらの書籍もおすすめです)

 

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

 

 

本書の重要なコンセプトをあらわす等式

 

マネジャーのアウトプット =自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット

 

が登場します。

(本書のなかで、「アウトプット」と「(アウトプットを生み出すための)活動」を峻別している説明があり、考え抜かれているなと思いました)

 

 

このアウトプットを効果的に生み出す概念は、本書では「テコ作用」として表現されています。

 

テコ作用が大きい業務設計、

テコ作用が大きい情報共有の仕方、

テコ作用が大きいミーティングの運営、

 テコ作用が大きい考課の仕方

など、経営や組織運営に関して具体的な場面でどのようにテコ作用を大きくしていけばよいか、またテコ作用の大きな取り組みからリソースを割くべきであると書かれています。

 

 以下に、参考に印象的だった箇所をピックアップして紹介します。

 

マネジャーも、自分にとっては"わずかな"時間しかかからないが、他の人の業務遂行には"長い"期間にわたって影響するような活動を展開することによって、高いテコ作用を発揮することができる。

 

「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしないかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」。

 

マネジャーの最も重要な仕事は、部下から最高の業績を引き出すことである。したがって高いアウトプットの妨げとなるものが2つあるとすれば、マネジャーとしての取り組み方は2つあることになるーーーそれは、訓練と動機付けである。

 

訓練とは、端的にいうならば、マネジャーとして遂行できる最高のテコ作用を持つ活動のひとつである。

 

したがって、マネジャーとしてのわれわれのやることは、まず、各人を訓練し、次に、自己実現への欲求が彼らを刺激し動機づけるような点まで引き上げるーーこの点に一度到達すれば、モチベーションは自給自足となり無限のものになるからーーことである。

 

考課は部下の業績ーー良い面でも悪い面でもーーに長い間影響する。そして、それはマネジャーが最高のテコ作用を発揮したかどうかの査定ともなる。要するに、考課はひとつのきわめて強力なメカニズムであり、また、それにからまる意見や感情が強くて、かついろいろ違いがあることは少しも不思議でない。

 

努力してもそれが認められていないと感じるようなら、あなたはマネジャーとしての仕事をしていないことになり、マネジャーとしては失敗しているわけだ。

 

巻末には「行動指針チェックリスト」なるものがあり、重要なポイントをパッと読み返しやすい工夫がされており、読み手のことを本当によく考えているなと感激しました。

インテルの成長を支えたマネジメントのノウハウや工夫をここまで具体的にオープンにされているだけでも驚くのに、「行動指針チェックリスト」までつけてしまう大胆さ。

マネジメントのノウハウを本気で伝えようとする姿勢が伝わってきます。

 

 

アンドリュー・S・グローブ氏、かっこよすぎです。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント
 

 

広告を非表示にする